販促費を有効的に活用!実例をもとに費用対効果を考える
企業を存続していく上で、その要となるのが「売上」です。
そして、売上を伸ばしていく最大の武器になってくるのが、広告などを使った「販売促進」です。
この記事では、そんな販売促進に必要な「販売促進費」、略して「販促費」に関して詳しく解説していきます。
販促費を使って売上を伸ばした成功事例なども紹介します。
販促費とは
まずは、販促費というものがどんなものなのかご存知のない方もいるでしょう。
販促費とは「販売促進費用」の略称で、企業や店舗などで扱っている商品やサ-ビスなどの売上げを伸ばすための販売促進に必要とする費用のことを指して言います。
売上げを伸ばすために使う費用だと広告宣伝費では?と思われる方もいるでしょうが、実際のところ、2つを明確に区分するということはないのですが、強いて言えば、販売促進費とは「直接に販売促進を目的としている費用」という使われ方が一般的で、広告宣伝費よりは具体的に明示されているといった理解で良いでしょう。店頭販売などが分かりやすいかもしれません。
特に、新しい商品やサービスを世の中に知らしめるために必要とされる販促費は、通常の販促費よりも多くの金額が必要になってきて、新商品や新サ-ビスの販促費を獲得するには、予算を確保するための戦略企画が非常に重要になってきます。
ROIを用いた費用対効果検証
続いては、販促費をどう使うかということについて解説していきます。
まず、販促費にとって重要になってくるのが費用対効果です。販促費の目的が、商品やサ-ビスにおける売上という結果を出すために競合企業や店舗との広告投資合戦になってしまっては目も当てられません。赤字で倒産してしまいます。
そこで、その費用対効果を検証するという方法が必要になってきます。その方法の一つとして活用する指標が「ROI(Return On Investment)」です。ROIは、投資に対する利益、つまり広告費用に対してどれだけの成果を得られたのかを確認する指標です。
ROIの値は「%(パーセンテージ)」で示され、以下の計算式で求められます。
【ROI = 利益 / 広告費 × 100】
ROIは費用対効果を見えやすくして対策を練る際に活用されます。
例えば、新聞折り込みチラシを利用することにより、販促費を10万円かけて新規顧客を100組集客、売上が30万円出た場合、30万円÷10万円=3.0、この場合、10万円の販促費を投資したことにより、売上が3.0倍になったということになります。
別の例でいうと、販促費3万円でフリーペーパーを利用して50組の新規顧客を集客、それらの顧客に対して値引きサ-ビスを入れたうえでの売上げが8万円出た場合、8万円÷3万円=2.67で、2.67倍の売上げを上げたということになります。そして、この両者を比較すると、新聞折り込みチラシのほうが費用対効果があったとなります。このようにROIの計算方法を参照にして、販促費の使い道を検討します。
CPAを用いた費用対効果検証
続いて、費用対効果の検証方法としてあげられる別の指標「CPA(Cost Per Action)」について解説します。
CPAは「顧客に行動を起こさせるためにかかるコスト」という意味合いになります。「顧客獲得単価」「コンバージョン単価」とも呼ばれます。
CPAの値は「円(価格)」で示され、以下の計算式で求められます。
【CPA = 広告費 / コンバージョン数】
先の例で解説すると、新聞の折り込みチラシを使った場合、10万円で100組の集客ができましたので、10万円÷100組=1組の新規顧客に対して1,000円という計算式が出来上がります。要は1組の新規顧客を獲得するために1,000円の投資をしたということになります。
これに対してフリーペーパーの場合、3万円で50組の集客ができましたので、3万円÷50組=1組の新規顧客に対して600円という計算式が出来上がります。1組の新規顧客を獲得するために600円の投資をしたということになります。
この場合だとROIの計算方法で検証した新聞折り込みチラシとは反対に、フリーペーパーの方が費用対効果が良かったということになります。こうなると、費用対効果の指標としてどちらを利用したら良いのか混乱してしまいますね。
結論としては、ROIとCPAの両方の指標を使って分析することが重要です。そして、費用対効果、集客比率などを比較して、どちらがより効果的かで選択するのが良いでしょう。
販促企画の成功事例
ここまで、販促費とそれに伴う費用対効果、その詳細な使用方法(計算方法)などについて解説してきましたが、ここからは、販促費を使った成功事例について、具体的に例を出して解説していきます。
イベントで大人気の袋型ツールで集客数アップ!
成功事例の一つ目は、「詰め放題」の袋を利用したDMチラシが効果的だった事例です。
「詰め放題」の袋を利用すること自体が新鮮に感じていただいた上に、競合他社での商談会により既存の顧客流出を懸念しており、チラシの効果も兼ねた、インパクトのある「詰め放題」袋を利用したイベント企画が効果的ではないかという理由で採用いただきました。その結果、集客率が前年と比べ140%、成約率が前年と比べ130%と大きな成果を上げることに繋がりました。
ファミリ-層に向けての新車種をPRしたいという目的があり、ファミリ-層が好む企画を検討した際に、「詰め放題」の袋を利用した企画が選ばれました。
子供が好きなお菓子を袋に詰める企画に加えて、DM内にメンテナンスや期間限定のク-ポン券も追加。成約率・集客率ともに上がる結果になりました。
先方の販促商品に合わせてタ-ゲット層を絞り、ニーズに合わせた企画・ツール提案できたことで、成功へとつながったと感じています。
▼詰め放題イベント集客で大人気の袋型ツール「カンガルーチラシ/DM」の詳細はこちら▼
大判サイズの圧着DMで売り上げアップ!
DM配布をしたところ、4人中1人が来店する効果を出した成功事例です。
小売店(量販店)のリニューアルオープンを予定していましたが、地域内に競合他社が進出しており、既存の顧客流出が懸念されていました。
リニューアルオ-プンをきっかけに、もう一度お店の良さを知ってもらおうという目的で1日だけの特別イベントを企画。
タ-ゲットを上顧客の住んでいるエリアに絞って「リニューアル案内DM」を配布し、平日にもかかわらず売上げ118%達成という結果になりました。
インパクトのある大判サイズで商品をより多く掲載できる冊子タイプの採用、DM内にクーポンも追加し、冊子を開くワクワク感をさらに高めたことが効果的だったと感じています。既存のポイントカード会員をクレジット機能付カード会員へ切替を促すことで、既存顧客の流出防止にも繋がりました。
▼ハガキサイズから大判サイズまで対応できる「圧着DM」の詳細はこちら▼
販促費の計画
さて、販促費の概要やその方法、それによる成功事例について解説してきましたが、販促費を使用する際に重要になってくるのは、そのしっかりとした組み立て方です。販促費の組み立て方を逸すると、費用対効果として成功しません。そこで、ここからはその販促費をどうやって組み立てていくか、その計画について解説していきます。
販促費予算の立て方
販促費を計画するといっても、どのようにやっていったら良いのでしょうか。ここでは、その販促費を計画していく方法などを解説していきます。
まずは、とても重要な売上げを試算していくということです。例えば商品やサ-ビスが1か月にどの程度売上げられるのか、過去3か月ほどの売上げの状況を参考にして予測したりすると良いでしょう。
例えば、商品やサ-ビスがひとつにつき1万円だとしたら、1か月に100個売ると売上は100万円になります。それらを過去3か月どの程度売り上げているかを参考にすると試算を出しやすいでしょう。
次に、 原価と経費を見積ります。販促費以外の経費を見積もって、原価と照らし合わせてその利益を計算。例えば、売上100万円から(商品原価30万円+販促費以外の経費30万円)=40万円が利益となります。
そのうえで、適正な販促費を検討しましょう。この30万円の中から販促費を使って利益が出る方法を、ここまで学んだROIやCPAの計算式を使って算出していくと良いでしょう。
また、とても参考になるのが同業種の「販売促進費率」と比較することです。
「販売促進費率」は、売上げに対して販促費が占める割合のことを指します。開業したばかりの店舗や企業、新商品やサ-ビスを除いては、一般的な販促費率の目安は売上の3~5%程度となるといわれています。一方で、ネット通販業界、イメ-ジが重要な化粧品業界などの販促費率は10~20%と高いのが特徴です。
自社がどの程度適正な販促費を使っているかは、「販売促進費率」を参考にしてみましょう。
まとめ
今回は、「販売促進費(販促費)」について解説してきましたが、参考になりましたでしょうか。
企業や店舗を存続させていく要は、売上を伸ばし続けていくことです。商品やサ-ビスの質を上げていくことも重要ですが、その商品やサ-ビスが売れないことにはあまり意味がありません。売りたい商品やサービスをどんなターゲットに向けてどう周知させるかが重要になります。
ROIやCPAなどの効果検証や、施策にかかる販売促進費は、そのための販促戦略のベースになります。しっかりと踏まえた上で効果的な販促企画につなげていきましょう。