約物
読み方
やくもの
意味
約物(やくもの)とは、文章の記述に使用する句読点や括弧類など
文字・数字以外の記号の総称です。
約物は、一般的には発音はされませんが、文章に意味付けを加えたり、
音など、文字では表現しきれない意味付けを表現するのに使われます。
印刷用語が由来となっており、語源には諸説ありますが、
「約」の「しめくくる」「まとめる」といった意味から
こう呼ばれるようになったと考えられています。
約物には、日本独自のものと、欧文など多国語で使用されるものがあります。
【約物の代表的な例】
・句点、マル:。
文章の終端を意味する。
・読点、テン:、
一文を意味のある区切りごとに分けるために付けられる。
また、語句を並列させる場合にも用いる。
・丸括弧、小括弧、パーレン:()
語句または文の次に、それらについて特に注記を加えるときに用いる。
・かぎ括弧:「」、二重かぎ括弧:『』
会話や語句の引用、あるいは特に注意を喚起する語句を挿入する場合に用いる。
・二点リーダ:‥ 、三点リーダ:…
主に会話文の中で使われる。「沈黙」や「絶句」などの言葉の「間」を表現する。
特にせりふの最後では、はっきり言い終わらない「言葉を濁す」ニュアンスを表現するのに使われる。
会話以外では、箇条書きの項目名と内容を繋げる記号、省略記号としても使われる。
・中点、中黒:・
複数の名詞を並べる際(例…国内・海外ともに)に使う。
「、」よりも全体が一つの塊である意味合いが強い。
・感嘆符、エクスクラメーションマーク、雨だれ、びっくりマーク:!
文の最後に付けられ、驚きや叫びなどを表す。元は欧文で感嘆文であることを示す約物。
より大きな驚きを示して感嘆符二つ「‼」が用いられることもある。
・疑問符、クエスチョンマーク、耳だれ:?
疑問文の最後に付けられる。
驚きと疑問を同時に表すときは、感嘆符と組み合わせて、
感嘆符疑問符「⁉」や疑問符感嘆符「⁈」のように使われることもある。
疑問の意味を強める表現として疑問符を複数並べて「⁇」のように使われることもある。
・米印:※
こめじるし。文中に書ききれなかった注釈などを、段落の外などで付け加えるときに使う。
・波ダッシュ:〜
「1〜12月」などとして、値の範囲を示す。
また「〜したい」などのように省略の記号としても使われる。
他には、語尾の母音を伸ばして面白い印象を与えるための表現として
長音府(ー)の代わりに用いられることもある(例:「あついね〜」)。
・ピリオド:.
欧文の約物。一文の最後に付けられる。日本語の句点(。)に相当する。
・コンマ:,
欧文の約物。複数のものを列挙するときなどに使う。日本語の読点(、)に相当する。
・コロン::、セミコロン:;
欧文の約物で、文の区切りを示す。
コロンは引用や例示する前などにも用いられ、時刻の表示にも使われる。
セミコロンはコンマが続くときに、大きな区切りを示すコンマの代わりに使われる。
・ハイフン:-
欧文の約物。複合語であるとき、単語ごとを区切る時に使われる。
また、単語を2行に区切るとき、前の行の終わりに置く。
・斜線、スラッシュ:/ 、逆斜線、バックスラッシュ:\
省略、選択肢など表すときに使われる。

普段、何気なく使っている「。」や「、」は約物なんですね